なぜ事業承継の後、事業が立ち行かなくなるのか?

業承継は譲り渡す現経営者にとっても譲り受ける後継者にとっても初めての仕事なので、様々な不安を持っているケースが数多く見受けられます。

また、後継者が「いずれ会社を継ぐ予定なので何か準備をしなければ・・・」と思いながらも、具体的に何をやるべきかはっきりしないため、「まずは現経営者の父親の指示に従おう」や「当面は自分に与えられた業務を頑張ろう」と考え代表就任までにやるべきことを怠った結果、不本意な結果を招いてしまった事例が多数見受けられます。また、相続税の対策しか行っておらず、いざ経営を交代する段階で慌てるといったケースも増加しています。

「こんなはずでは・・・」後継者に良くある事業承継後の悩み

事業承継後に後継者が次のような事で悩んでしまうケースが多くなっています

  • 古参の従業員と折り合いが悪く、思うように指示できない
  • 何をやったら良いか分からないまま業績が悪化していっている
  • 借金が大きな負担となっている
  • どのように給与や賞与を決めたらよいのか分からない
  • 決算書を見ても、何がどうなっているのか良く分からず漠然とした不安を感じる
  • 承継してから何年も経過した後、同族の問題が発生し仕事どころではなくなる
  • コンプライアンス違反が発覚し多額の資金が必要となった 等々・・・

何故このような事態に陥ってしまうのでしょうか。それは事業承継前の期間に、経営者となる準備をしていない、若しくは誤った方法で進めている事が原因なのです。

経営者の準備不足が後継者を窮地に立たせる?

事業承継後に後継者が次のような事で悩んでしまうケースが多くなっています

  • 株価引き下げ等の相続税対策が終われば事業承継は完了だ。
  • 古参社員に頼んでおけば、後継者を支えてくれるだろう。
  • 今までどおりの事をコツコツやっていけば経営はできるはず。
  • あと5年は現役で経営するつもりなので、まだまだ準備は必要ない。
  • 後継者に何をどのように教えたら良いのか分からない。
  • 何年何月何日に後継者を代表取締役にするか決めていない 等々・・・

開業10年後に事業を継続している会社の割合は僅か6%と言われている中で、数十年経営をつづけてきた現経営者は経営の天才と言えます。天性の能力で重要な経営判断において正しく選択し続けた方です。それと同じ事が後継者にも出来るでしょうか?もちろん、同じように才能をお持ちかもしれませんが、確率だけを見れば低いと言わざるをえません。

そこで重要なのは、経営について時間を掛けてしっかりと知識を修得してもらい、事業承継に備えてもらうという事です。我々は少なくとも5年前から準備しておくべきと考えています。特に重要な事は、後継者特有の立場により、どうしても「受け身」な姿勢で事業承継に臨んでしまう状況を打破し、主体的に経営者としての知識・能力・考え方を身に着けていただくことです。(後継者が、どのような知識を修得してもらうべきかは、コチラをご参照ください)

事業承継の主役は後継者です。成功している事業承継は、後継者が主体となり、現経営者は、それをサポートしているのです。

 

不可欠な「承継計画」

とは言っても、経営については素人である後継者のサポートですから、支援者である経営者の役割は非常に重要です。主体的に動くマインドを醸成するだけではなく、影で支える者として、承継計画をつくり、事業承継が成り行きで「なんとなく」進んでいく事は避けなくてはなりません。承継計画で定めるべきことは下記のとおりです。

  • 事業承継方針・概要
  • 株式承継計画
  • 後継者決定と育成計画
  • 現経営者のキャリア検討
  • 従業員の理解・協力
  • その他関係者の理解

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